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お医者さんに「ウィリアムズ症候群かもしれない」と言われた。

もしくは検査をして「ウィリアムズ症候群です」と診断を受けた。

嬉しい人なんていないと思います。

ウィリアムズ症候群は、2015年に難病指定を受けました。

染色体異常の一種ですので、当然本来22対44本、性染色体2本の計46本ある染色体のいずれかに数や形態などに異常が認められるわけです。

ウィリアムズ症候群は「7番目」です。

「7番目」の染色体のほんの一部が欠けてしまっていることにより様々な起こる症候群のようです。

FISH法により、その欠けている部分が検出できますね。

欠けてしまっているせいで、「エラスチン」というタンパク質が少なくなってしまうようです。

エラスチンは、体内では主に、コラーゲン同士を結びつけてゴムのように伸縮する性質があり、組織に弾力や柔軟性を与えるようです。

 

それぞれの組織内のエラスチンの含有率は、靭帯で78〜80%程度、動脈で約50%、肺で約20%、真皮で2~5%程度とされています。

ウィリアムズ症候群の血管系の疾患で多い「大動脈弁状狭窄」「末梢性肺動脈狭窄」は、どちらもこのエラスチンの少なさが関わっているのです。

血管に弾力がないから「ダラッ」となって狭くなってしまうイメージですね。

ほっぺたをつねってみると、すごく伸びますよね。説明がつきます。

 

他にも様々な、そしてまたときに何で??と笑いたくなってしまう症状が多々あります。

多くはエラスチンの他にも、7番目の染色体のほんのごく一部の欠損により低下した体内の物質により起こっていると説明がつくようですが、それでもウィリアムズ症候群特有の「プッ」と吹き出してしまそうなよくわからない、すっとぼけた、「おもしろかわいい」ことが多々起きます。

不安症なくせに、人には警戒心がなかったり。

すっごくかわいいですよ。

しかし私も、診断された当初は、周りの人たちに

「そうゆう子は、神様が育てられる人のところにしか与えないんだよ」

などとと言われ、悪気がないのはわかっているのですが、

「じゃあ、神様間違えたみたいだからお前変われや」

と思ったりしたこともあったほど、ショックでした。

もっと言うと「嫌」でした。

スーパーで泣き止まず揺らしていたら、通りすがりのおばちゃんに

「そんなに揺らしちゃダメよ

言われて、

「黙れババア、しゃしゃってくんなや」

と言い返したこともありました。

 

時効です。

相当一杯一杯でした。

亡くなった祖母のお墓で「FISH法が陰性でありますように」とお願いしたくらいでした。

多分自分のためでした。

しかし今は、妻とも「この子でよかった」と口を揃えています。

なので、診断されたてで「我が子のように思えない」とか「健常の子が羨ましい」とか思っていても、ちょっとプライドが邪魔しているだけだと思うので、気にする必要はないと思います。

「生まれてきてくれてありがとう」

と心から言えなかったので、

「こんな形になってごめんね」

と目を見て言ってみたのが、私には効果的でした。
 

ものすごく個人的にウィリアムズ症候群ってどんな症候群かを説明するなら

「おもしろかわいい」ことが起きて、徐々に、勝手に「生まれてきてくれてありがとう」と言えるようになるのがウィリアムズ症候群

だと思います。

うちは姉と弟が「うり二つ」で、ウィリアムズの息子だけ明らかに似ていないですが、7500人に1人の割合で世界中に兄弟がいると本気で思えるくらい息子と、息子の「兄弟たち」が可愛く思っています。


 

難しいことはたくさんありますし、うまくいかないことだらけだと思いますが、「7番目の染色体に異常があるせいで、色々な症状が起きてしまう」くらいに考えて、あとはお医者さんや学者さんに相談する。そして「仲間」に会いに行って「イメージ」を湧かせるのが一番だと私は思います。

​ウィリアムズ症候群ってどんな症候群?

​診断されたての方へ

息子が生まれたのが2013年1月。

ウィリアムズ症候群と診断されたのが2013年4月30日。

とにかく情報が少ない我が子の病気の情報収集のために2014年10月にアメブロを始めました。

 

振り返ると、多くの方々に申請させて頂き、また申請を頂きました。

 

お食事ご一緒させて頂いたり、旅行にまでご一緒させて頂いたり、本当にブログという文化に感謝しきりでした。

ブログを始めた時、息子は1歳で、妻が情報収集のために先にブログを読み始め、また、始めました。

 

いつのまにか私がなっちゃんの成長を記録する機会が大半になりました。

ウィリアムズ症候群は、非情に情報が少なく実態が掴みにくい。

医師の診察で器質的な疾患はわかりやすいものの、それ以外の、いわゆる発達についてのイメージができないことが特徴で、そこが我が子の将来への不安と、何より親としての足元の不安定さを生みがちなものです。

 

そんな中、我々夫婦が立ち直れたのは、何を隠そう全国のご本人たちやご家族にブログを通じて直接お会いできたことによる部分が全てです。

ウィリアムズは、2万人に1人と言われていますが、5万人の我が市に確率的にもう1人か2人いるであろうお仲間に出会える確率は、知れています。実際、いらっしゃるかどうかも未だにわかりません。

 

私たちは最初は大阪、次いで群馬、埼玉と有難くもお会いする機会を頂いて参りました。

本当に、救われました。

 

きっとこの一分一秒の間にも、ウィリアムズ症候群の子が、きっとどこかで産まれ、数ヶ月後に、診断されていることでしょう。

ウィリアムズ症候群を無理に肩に力を入れて「個性」や「特徴」だと捉えようとしすぎる必要はないと私は思っています。

不思議なものすが、色々なところで言われている通り、すごく優しい遺伝子を持っているようで、時間と我が子が自然にそう捉えさせてくれます。

診断されたての時期をふと思い出し、特別な思いになりました。

 

まず1つ言えること、忘れないで欲しいことは、間違いなく、目の前にいるのは我が子だということです。

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